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書き散らした小説置き場。剣と魔法のファンタジー他いろいろ。
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 夕闇の幕がすっかり落ちた頃、アサザとレンギョウを乗せたキキョウは走り疲れたらしく脚を止めた。前方には潅木で覆われた小さなくぼ地が見える。

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「——レン」

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 雲の切れ間から再び顔を出した月が草原を銀色に染め上げていた。

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「ほんのちょっと、少し話を聞くだけでいいからさぁ」

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 鼻歌交じりの軽い足音が階段を下りてくる。壁にかけられた松明に引き伸ばされた影が格子の外に落ちてすぐに、本体がひょいと顔をのぞかせた。

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 頭上には、抜けるような青天が広がっていた。

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 王宮・奥庭の湖は、昨夜よりも少しだけ満ちた月を映していた。湖を囲む木々は変わらずに柔らかな若葉をつけた枝を微かな風にそよがせている。その住み慣れた景色に帰ってきたはずのレンギョウの表情はしかし、明るくはなかった。

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 皇都・皇宮。その最奥、皇帝の居処に程近い小さな宮の門前で、アサザはキキョウから降りた。大きく伸びをして、長旅の疲れを肩から落とす。

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 王宮・謁見の間。前庭に面した窓からは、喜びと感謝に溢れた声が聞こえていた。

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 玉座に掛けた第四代皇帝アザミは、大して面白くもなさそうな表情で壇の下に跪いた亜麻色の髪の男を見下ろした。男の名は先程侍従から聞いたが、すぐに忘れた。どの道、目の前の男が国王からの使者だということだけが分かっていれば不自由はしない。

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 ぬるい夕暮れの風が紙の匂いで満たされた部屋に吹き込んでくる。季節はもうすぐ夏を迎える。明日はその先駆けのように暑くなりそうだ。

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 暑い暑い、夏だった。

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「足りんな」

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「シオンが来た?」

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 皇帝アザミの許に中立地帯との境近辺を守る皇帝軍の急使が駆け込んできたのは、凍てついた風が吹く寒い午後のことだった。アザミと共に報せを聞きながら、アサザは顔から血の気が引いていくのを感じていた。

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 皇帝軍が皇都を発つ準備をしている——

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「……兄上が呼んでいる?」

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 何故、こんなことになったのか——

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「うわあ、随分いっぱいいるなあ」

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 皇帝軍の前進が止まった。ウイキョウとイブキを送り出した左翼方向から波紋のようにざわめきが広がる。

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深雪
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小説は基本ドシリアス。
日常は基本ネタまみれ。
文体のギャップが激しい自覚はあります。ごめんなさい。
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小説とはイメージ違うだろうなぁ
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