書き散らした小説置き場。剣と魔法のファンタジー他いろいろ。
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かつてこの島国には戦があった。
誰もがその発端を忘れてしまうほどの長い戦乱……
それを終息させたのはたった一人の男だった。
王の位に就いた彼を人々は『魔王』と呼んだ。
彼が人ならぬ力——魔法を操ることで平和を実現したことに感謝と畏敬を込めて。
王位に就いた後、『魔王』は
戦の最後まで好敵手であった『戦士』と呼ばれる男にある役目を与えた。
己や己の子孫が過ちを犯したとき、
それを止めうる唯一の権限を『戦士』とその子孫に託したのだ。
『魔王』の死後、
彼の二人の子供のうち魔法に優れた姉が王位を継いだ。
弟はこれを認め、
以降の己の血筋は『貴族』と称し
王家たる姉の血を受け継ぐ者を輔佐し支援すると公言した。
『戦士』もこれを容認し
人格的にも優れた女王の下、島国は大いに栄えた。
時は下って四代目の王の時代。
時の王は政治をまったく顧みることがなかった。
『戦士』の末裔は役目を果たすため王の居城に出向いた。
一昼夜の話し合いの後、
王は『戦士』の末裔に全権を譲り渡すこととなった。
王は王都を中心とした狭い国王領で今までどおりの暮らしを続け、
かわりに『戦士』の末裔が国を動かす役目を担った。
これを受けた国民は『戦士』の末裔を『皇帝』と呼ぶようになり、
実質的な指導者として彼を受け入れた。
さらに時は流れて四代目の皇帝の時代。
腐敗しつつある政治に人々は疲れ果てていた。
そんな時、一人の『戦士』の血を引く若者が国王領へ入り込む。
彼の名はアサザ。
そこでの出会いがその後の人生を大きく変えることになるとは露知らず、
彼は初めて見る王都を眺めていた——
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