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書き散らした小説置き場。剣と魔法のファンタジー他いろいろ。
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 王宮・謁見の間。前庭に面した窓からは、喜びと感謝に溢れた声が聞こえていた。

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 玉座に掛けた第四代皇帝アザミは、大して面白くもなさそうな表情で壇の下に跪いた亜麻色の髪の男を見下ろした。男の名は先程侍従から聞いたが、すぐに忘れた。どの道、目の前の男が国王からの使者だということだけが分かっていれば不自由はしない。

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 ぬるい夕暮れの風が紙の匂いで満たされた部屋に吹き込んでくる。季節はもうすぐ夏を迎える。明日はその先駆けのように暑くなりそうだ。

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 暑い暑い、夏だった。

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「足りんな」

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「シオンが来た?」

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 皇帝アザミの許に中立地帯との境近辺を守る皇帝軍の急使が駆け込んできたのは、凍てついた風が吹く寒い午後のことだった。アザミと共に報せを聞きながら、アサザは顔から血の気が引いていくのを感じていた。

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 皇帝軍が皇都を発つ準備をしている——

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「……兄上が呼んでいる?」

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 何故、こんなことになったのか——

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「うわあ、随分いっぱいいるなあ」

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 皇帝軍の前進が止まった。ウイキョウとイブキを送り出した左翼方向から波紋のようにざわめきが広がる。

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 アカネが敵の手に落ちたと報せを受けた時、ブドウの目の前の景色が一気に色褪せた。急速に狭まる視界、浅く早くなる呼吸。後悔と自責が胸の内を駆け抜ける。

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 先程の名残の遠雷が低く響いた。黒い雲は急速に散らばり、今日最後の残光が草原を紅に染め上げる。赤い草が揺れる様はまるで、昼間に流された幾多の血を飲み干してなお、まだ足りぬと大地が訴えるかのようだ。

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 その村はまるで、山肌にしがみついた昆虫の蛹のような姿をしていた。正午を過ぎてもなお霧のたゆたう谷の狭間。耳に痛いほどの静寂に包まれた石造りの簡素な建物群はまどろんでいるかのような、或いは既に抜け殻と化してしまったかのような。石くれだらけの峠をようやく越え、村を見下ろしたアサザが深く息を吐く。

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小説は基本ドシリアス。
日常は基本ネタまみれ。
文体のギャップが激しい自覚はあります。ごめんなさい。
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小説とはイメージ違うだろうなぁ
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